●質問
彼氏に振られて哀しい気持ちってどうしたら癒えますか？

●回答
これは、あなたが「どれくらい」哀しいのかによります。
世の中には、1週間もすれば失恋の痛みなど忘れて、新しい男を「漁りに」行く女子もいますね。よくそんなすぐ立ち直れるなあと感心します。が、本人はべつにそれでふつうですが、みたいにしか思っていません。おそらく、本当に、彼女にとってはそれでふつうなのだと思います。

対照的に、半年も1年も失恋の痛みを引きずる人がいますね。そういう人は、気晴らしに遊びに出かけても、心はずっと元カレに繋がれたままです。親が「美味しいものでも食べて元気を出して」と言っても、「ありがたいけどウザい」と思ったりして。

そういう人は、失恋によって哀しいのではないんですね。
自分に絶望しているから哀しいのです。自分が、自分の人生に絶望しているからつらいのです。「この」自分を抜け出て、「別の自分」になりたいという無理なことを望んでいるから哀しいのです。
なぜなら人は、「この」自分を生きるしかないからです。

絶望から抜け出る方法は、たとえば、古典を読むことです。古典の著者という「亡き人」と心で対話することです。
そうすることによって、「この今」がすべてではないのだと気づきます。この、失恋の痛みにまみれた時がすべてではないと知ります。この失恋の痛みは永遠には続かないと悟ります。

わたしたちは普通に暮らしていると、生きている人としか話をしませんね。
でもそれだと、「すべてが今」になってしまって、息苦しくなります。それではやがて収まる失恋の痛みも、なかなか収まらないです。

古典って、むずかしい感じがすると思いますが、簡単なものもあります。たとえば童話。アンデルセン童話は古典です。『不思議の国のアリス』も古典です。
亡き人と心で対話することによって、少しずつ癒えるもの、それが「感受性豊かな人の」失恋の癒し方なのです。