●質問
わけあって風俗の仕事をしていました。Wワークです。そのせいか、鬱っぽくなって、引きこもりになりそうです。どうすれば元気になれますか?
●お答え
その昔、といっても、ほんの200年前、キルケゴールという人がいました。彼は引きこもりでした。風俗でバイトした……わけではないのですが、一説によると、風俗に通っていた時期があるようで、「風俗で遊んでいたことなんて、神様にも告白できない!」とかなんとか言いながら、引きこもっていました。彼は、世間とうまく馴染めなかったので、それも彼が引きこもった原因のひとつでしょうね。
キルケゴールは、引きこもりを哲学した最初の人です。親とソリが合わない、その「合わなさ」を哲学した最初の人でもあり、世間と馴染めない、その「馴染めなさ」を哲学した最初の人でもあります。
彼は、たとえば引きこもりについて、いくつものことを述べていますが、そのひとつは、「隠すから人は引きこもる」ということです。
風俗でWワークしていた事実を、隠すから、引きこもりっぽくなってしまう(=プチ鬱っぽくなってしまう)というのが、彼の洞察です。
では、あなたはどうすべきか? 「わたし風俗でWワークしててさ!」と、言える友達をつくるというのが、もっとも手っ取り早い方法でしょう。
そういう友達をつくれる可能性は、まったく0%ではないですよね。
たとえば、銀座のデートクラブでバイトしている女子は、おなじバイトをしている他の女子と仲がいいです。デートクラブの女子どうしって、どこでどうやって知り合うのか、男である僕にはわからないけれど、でも、彼女たちはよくふたりで六本木で飲んでいます。
思うんですが、ちょっとWワークして、逃げるように(風俗バイトの過去を消すかのように)風俗バイトを辞める、というのが、けっこう人間精神にとってキツイことなのかもしれないですね。
縁あって風俗業界で働いていたのだから、本番のあとの後戯、つまり風俗を卒業したあとの自分の心のケアができるほどの人脈を大事にしてみてはいかがでしょうか?
人は自分に隠し事をするから絶望する(引きこもりになる)――キルケゴールはこう言っています。