●質問
好きな人とエッチしても、なぜか心が満たされません。なぜでしょうか？

●回答
2つのわからなさを、あなたが彼に対して抱いているからだろうと思います。
1つは、好きな人が「どのようにつくられたのか」を、あなたは、究極的にはなにも知らないという意味におけるわからなさ。
もう1つは、なぜ彼のことが好きなのか、究極的にはあなた自身にもわからないという意味におけるわからなさ。
この2つのわからなさについて、以下に解説しましょう。

彼の心身はどうやってつくられた？
好きな人でも、好きなものでもなんでもいいんですが、たとえば好きな人をどんどん好きになっていった時、わたしたちはその人の遍歴を知りたくなりますよね。
遍歴とは、どこでどんなふうに育ってきたのか、つまり、その人の「つくられ方」のことです。
たとえば、彼の優しい心は、いつ、どのようにしてできたのか？
彼のかっこよく引き締まった胸やお尻は、いつ、どのようにしてできたのか？（もしかして高校生のころ、野球してた？みたいな）。
彼の絶妙にしてときに激しい腰使いは、いつ、どのようにして体得されたのか？　などなど。

これらすべての問いについて、じつは究極的には答えがないのです。
もちろん、表面的には、彼には姉がいて、姉から優しさを教わったという答えが（たとえば）ありますね。野球をやっていたからエロかっこいい筋肉質の身体になった。17歳からすでに腰使いがうまかった、などなど。

でも、それはなぜなのかを突き詰めていくと、とどのつまり、彼は「偶然にも」優しい心を持つにいたり、「偶然にも」女子がうっとりする身体つきになり、「偶然にも」腰使いのうまい男になった、としか言えないでしょう？

それは「偶然です」としか答えられない問いです

この「偶然」について知りたがるから、あなたは彼に抱かれても心が満たされないのです。
偶然を突き詰めていくと、「なぜ彼は彼として生まれてきたのか（＝なぜ私は私として生まれてきたのか）」という問いになり、その「なぜ」に関する答えなど誰にもわからないからです。
なぜか知らねど、彼は彼として生まれてきて、なぜか知らねど、私は私として生まれてきて、なぜか知らねど、私は彼のことが好き、という事実があるだけなんですね。

相手のことを好きすぎると、偶然としか答えようのない問いにハマってしまう、だから抱かれても心が満たされないのです。