●質問
マッチングアプリでセックスの相手を探すくせをやめたいのですが、どうすれば治るのでしょうか?
●回答
「なんか寂しいからセックスしたい」と思うから、マッチングアプリでセックスの相手を探すのです。
「誰でもいいからセックスしたい」というのは、善く生きるべきだとわかっていてそうできない「できなさ」が生む感情です。
つまり、あなたはじつは「すべて」をわかっているのです。しかし、どうしても頭で考えるとおりに身体が動かない。つまり善に生きたいと思っていても、身体は悪のほうに向かう。暗がりでセックスするほうに向かう。下半身が疼く。
なぜ?
善に生きるべきだとわかっていてそうできない弱い自分を隠したいからです。他者に隠したい……とくに知っている人に対して隠したい。だから、友だちを介してセックスの相手を探すのではなく、マッチングアプリで匿名で探すのです。昼間からおおっぴらにセックスしてもいいのに、夜の暗がりにまぎれて、知る人のいない街まで出向いてセックスするのです。
セックスとは「反抗」の最たるものです。反抗というのは、あなたの心に宿る「善」に対する反抗です。善が絶えず求めてくる「善く生きるべし」という声に、あなたは反抗しているのです。「善、うざい」と思って。「善く生きるべきだなんてわたしは知っている。でもどうしてもそう生きれないのよ。どうしても寂しくて下半身が疼くのよ」と思って。
みんな同じなんです。みなさん、善く生きるべしとわかっているのです。でも善く生きれないのです。たとえば、もって生まれた能力の限界や置かれている環境の限界が原因で、自分が思っているような善の世界に行けないのです。
だから自分の心のなかの善に反抗するのです。「行きたいのに行けねぇんだよ!」と。「ああ生きたいのに、こうしか生きれねぇんだよ!」と。それがセックスというふるまいに現れるのです。
では、なぜセックスが反抗の最たるものなのか?
セックスがもっとも善の対極にありそうに思えるからでしょう。見知らぬ人とセックスするよりももっと悪と思える行為を思いつかないからでしょう。
以上のことはキルケゴール心理学に詳しく書かれています。よかったらぜひ読んでみてください。